会社に入社してメールのやりとりをするとき、「てにをは」の使い方に悩んだ事はありませんか?
日本では当たり前に使われていますが、実際「てにをは」といわれてパッとくる人は少ない人も多いです。
そのため、日本人でも「てにをは」の使い方などをよく間違えます。
なので今回は、「てにをは」助詞の意味と使い方について紹介します。
「てにをは」の意味とは?
日本独自の表現方法の「てにをは」ですが、そもそも「てにをは」が助詞である事を知らない人も多いと思います。
「てにをは」というのは助詞の総称で、よく文章を打つときに使う事が多いです。
ですがそもそも、なぜ助詞の総称が「てにをは」と呼ばれるのでしょうか?
まずは、「てにをは」についての軽い説明と由来について紹介します。
「てにをは」とは助詞の総称
まず「てにをは」がなんなのかについてですが、簡潔にいえば助詞の総称の事です。
助詞とは日本独自の品詞の事で、他言語では後置詞だったり接続詞にあたります。
例えば、「鞄はこちらに置かせていただきます」といった文章に「てにをは」が置かれています。それが「鞄は」の「は」という部分です。
こういった文章のニュアンスや、他の言葉に意味を持たせたいときに「てにをは」という助詞を使います。
ただ文章を見て「なんかおかしいな?」と感じたとき、大体は言葉の意味ではなく「てにをは」の使い方に問題がある事が多いです。
そのため日本語を使いこなす上で、「てにをは」の使い方はかなり重要なものになるんです。
「てにをは」の由来とは?
そもそもなぜ「てにをは」という助詞は、今よく使われるのかはよく分かりませんよね。
「てにをは」の由来は、漢文からきているといわれています。
漢文を読むとき、漢字の4隅を左下から右周りに読むと、ちょうど「てにをは」の順になります。これは漢文を訓読したときに付けられる「ヲコト点」が関係していて、日本独自の文化といわれています。
普段「てにをは」と助詞を使う際に「ヲコト点」は意識しませんが、「てにをは」の用法はとても大事です。
「てにをは」4つの使い方
「てにをは」の由来はややこしいですが、かなり奥深い事はよく分かったと思います。
しかし由来を知っただけでは、「てにをは」を上手く使いこなせるわけではありません。「てにをは」の使い分けというのは、案外難しいもので、中々上手く使いこなせる人は少ないです。
なので、今度は「てにをは」の使い方について4つ紹介します。
①「で」と「を」の使い方
1つめは「で」と「を」の使い方についてです。
この「で」と「を」の使い方についてですが、文章によってはどちらも間違っているというわけではありません。
例えばファミレスで注文をするとき、「これでお願いします」といっても違和感はありませんよね。
ですが一見違和感がないように見えても、実は「で」より「を」を使った方が相手に伝わりやすくなります。
例えが変わりますが、誰かに案を聞かれたとき「これでお願いします」といわれた場合が良い例です。
「これで」と聞くと、どこか投げやりにいっているように聞こえてしまいますよね。ですが「これをお願いします」といわれたら、簡潔かつ明確に納得ができます。
なので「で」と「を」のどちらが正しいわけではありませんが、使い方によっては聞き手側が理解しやすくなります。
「~から」と「~より」の使い方
2つめは「~から」と「~より」についての使い方です。
「~から」と「~より」は「で」と「を」などと違って、目上の人などに対してよく使います。
例えば偉い人が、遥々どこからか来たときに「○○からお越しくださいました」なんていうのは良い例です。ですが、実際どちらが丁寧かと聞かれたら、「~から」より「~より」の方が丁寧に聞こえますよね。
なので正しくは、「○○よりお越しくださいました」が正解です。
ただ友人などの親しい存在を他の人に紹介する場合は、「~から」を使っても構いません。友人に対し「~より」と使うと、それもそれで違和感を感じます。
何より「~から」や「~より」は目上の人やビジネスで使う事が大半なので、上手く使い分けましょう。
「~が」と「~は」の使い方
3つめは「~が」と「~は」についての使い方です。
これも「で」と「を」のときのように、どちらを使っても違和感を感じないように思いますよね。ですが、「ピザが好きです」と「ピザは好きです」と比べると違和感を感じると思います。
「は」の場合だと、嫌いか好きか意味がはっきりしませんよね。しかし「が」の場合だと、ピンポイントで「ピザが好き」というニュアンスが伝わります。
なので「が」を使うときは、なにかを強調するときに使うと覚えておくといいでしょう。
例え「○○が良い」と文章を変えてみても、違和感は特に感じません。
なにか特定のものを強調するだけでなく、相手を褒めたりするときなどにも「が」の方が伝わりやすいです。逆に「○○は良い」というと上から目線にも取れるので、できるだけ「が」を使う方が好印象を与えます。
「~に」と「~を」の使い方
4つめは「~に」と「~を」の使い方です。
特にこの「~に」と「~を」の使い方は、かなり難しいものです。
例えば「こちらに訪れる」と「こちらを訪れる」と分けたとき大分意味が違いますよね。「こちらに」だと複数ある中でも、たまたま気分で行ったような軽いニュアンスとして捉えられます。
一方「こちらを」だと、いくつかあった目的地を明確に自分で選んで行ったようなニュアンスに捉えられます。なのでこういった物や場所を選ぶ場合、自分の意思なのかどうかを重きに置いて考えましょう。
別にどちらをいっても失礼ではありませんが、意思や思いの強さが違ってきます。
他にも、「こちらをお持ちしました」と「こちらにお持ちしました」といった場合は大分意味が変わってくるんです。
「こちら」だと何を持ってきたかをいっていますが、「こちらに」だとどこに持ってきたかを指しています。さすがに物と場所を間違える事はありませんが、これも気をつけたい点です。
「てにをは」を上手に使いこなせる方法
「てにをは」をいざ使うとき、実際に文章を書いた後に確認をしても中々自分で合っているかどうかは分かりません。
それほど助詞の使い方は難しくややこしいのですが、上手く使いこなせる方法はいくつかあります。一見「てにをは」を使いこなすのは難しそうですが、日常にある事をとりいれる事で簡単に身に付きます。
最後に、「てにをは」を上手く使いこなせる方法について紹介します。
本を読む
「てにをは」を上手く使いこなす方法1つめは、本を読む事です。
本は本となってから店頭に並ぶまで、相当な労力の積み上げでできています。何度も何度も内容を確認し、言葉の意味や文法、なにを伝えたいかなどを大掛かりに見直します。
そのため本というのは立派な言葉の参考書で、助詞などを学ぶのに最も適しているんです。
なので「てにをは」の使い方や意味がいまいち理解できない場合は、まずどんな本でもいいので、とにかく本を読みましょう。
ブログを書いて練習
「てにをは」を上手く使いこなす方法2つめは、ブログを書く事です。
本を読む事も良い方法ですが、本当に使えるかどうかは実際に書いてみないと分かりません。なので、自分はどこまで「てにをは」の意味を理解しているのかが知りたければ、実際ブログなどを書いてみましょう。
最初はよく理解できませんが、文章を書いたり、よく見直す事で理解できるようになります。
他にもブログなどの文章を、第三者に校閲してもらうのも1つの方法です。第三者がみておかしくないのなら、意味は十分伝わっているといえます。
もし協力をしてくれる人がいるならば、自分だけでなくその人にもおかしくないか確認してもらいましょう。
まとめ
今回は「てにをは」助詞の意味と使い方について紹介しましたが、参考になったでしょうか?
「てにをは」は日本独自の文化であり、他言語でも助詞という概念はありません。非常に難しいですし、場合によっては伝えたい事の意味も違ってきてしまいます。
ですが、それが日本語特有の美しさだったり丁寧さを現わしているんです。上手く使いこなせば聞く方も不快な思いはしませんし、意味もよく伝わります。
なので「てにをは」を上手く使いこなしたい方は、ぜひとも今回紹介した内容を参考にしてみて下さいね。