ブログを始めようと思ったとき、「書き言葉」と「話し言葉」について悩んだ事はありませんか?
文章を書く上で「書き言葉」はとても身近ですが、「話し言葉」との違いを説明するのはかなり難しいです。実際長年ライターを続けている人でも、まれにこの2つを間違えてしまうだなんて事があります。
では、書き言葉と話し言葉には、一体どんな違いがあるのでしょうか?
今回は、「書き言葉」と「話し言葉」の違いについて紹介します。
「書き言葉」と「話し言葉」の違いとは?
まず「書き言葉」と「話し言葉」の違いは、それぞれ使う場面がかなり異なっています。
そもそも、「書き言葉」と「話し言葉」は、読んで字のごとくです。では、「書き言葉」と「話し言葉」は、厳密にいうとどのように違うのでしょうか?
まずは「書き言葉」と「話し言葉」の違いについて紹介します。
書き言葉とは?
書き言葉とは、文章に使われる言葉の事を指しています。
実は、普段私たちが口にしている言葉と、文章に書き起こす言葉は大きな違いがあるんです。
その違いは2つあります。
①「書き言葉」には倒置や中断がない
1つめは、「話し言葉」は「書き言葉」と比べて倒置や中断などがある事です。
普通文章にする「書き言葉」では、中断などありえません。つまり、明確に伝わるような文章にせずとも、伝わるのが「話し言葉」の特徴です。
逆に「書き言葉」は、目で見た情報が全てなので、目で文章を見たとき不備はないようにするのが特徴です。
②「書き言葉」は方言など書かない
そして2つめは、方言などを書かない事です。
「話し言葉」は会話を主としているので、方言などがあってもおかしくありません。ですが「書き言葉」はきちんとした文章なので、方言などは書かないというのが基本です。
書き言葉の本質は文章なので、視覚を通し、見た相手に違和感がないように伝える事が大事です。以上のことから、この2つは大きな話し言葉の違いといえるでしょう。
話し言葉とは?
「話し言葉」とは、普段私たちが会話をするときに使う言葉を指しています。
「書き言葉」は文法などはきちんと守らなければいけません。ですが、「話し言葉」は会話を通すものなので、「書き言葉」ほど堅くないのが特徴です。
そのため倒置法だけでなく、「ああ」などの感嘆も返事の1つとして成立します。逆に「書き言葉」ほどしっかりしている内容で話すと、聞き手としては堅苦しいイメージを受け取ってしまいます。
「話し言葉」は日常会話だけでなく、実はブログなどのような文章でも使う事ができます。他にも親しい人とのメールや手紙、キャッチコピーやスピーチにも応用ができるのが特徴的です。
用途はかなり限られますが、「話し言葉」の方が私たちの生活に寄り添っているといってもいいでしょう。
「書き言葉」と「話し言葉」!5つの例文
「書き言葉」と「話し言葉」の違いについては、よく分かったと思います。
ですが、この違いが分かっても多くの人は「書き言葉」と「話し言葉」を間違える事が多いということです。
特に初めてブログを書いたりする初心者の人には、違いについてはよく理解できない人も多いと思います。
なので、次は「書き言葉」と「話し言葉」の例文について5つ紹介していきましょう。
①語尾の違い
「書き言葉」と「話し言葉」の例文1つめは、「語尾の違い」についてです。
一言に「語尾」といっても、「書き言葉」と「話し言葉」では大きく違います。
- 話し言葉→「私がこう思うのは○○が理由です。」
- 書き言葉→「私がこう思うのは○○が理由だ。」
たとえば、「話し言葉」なら、「私がこう思うのは○○が理由です。」といった具合で表します。
ですが、「書き言葉」なら「私がこう思うのは○○が理由だ。」となるんです。これは、「話し言葉」の相手に失礼のないように伝えるという意味から出る違いです。
あくまで「書き言葉」は、対人ではない事が、「話し言葉」との大きな差といえるでしょう。
②何かを選ぶとき
「書き言葉」と「話し言葉」の例文2つめは、何かを選ぶときの違いについてです。
何かを選ぶときも、「書き言葉」と「話し言葉」では、大きな違いがあります。
- 書き言葉→「どちらがいいですか?」「どちらがよろしいでしょうか?」
- 話し言葉→「どっちがいいでしょうか?」
たとえば、「どっちがいい?」という質問をしたとき、「書き言葉」では「どちらがいいですか?」と表します。または、「どちらがよろしいでしょうか?」などと丁寧に現わすのが「書き言葉」です。
しかし「話し言葉」の場合、「どっちがいいでしょうか?」でも構いません。
確かに相手によっては「どちらが」を使うべきですが、元々「話し言葉」というのはフランクです。そのため、「どっちがいいですか?」でも通じてしまうのも、大きな違いといえるでしょう。
③反論
「書き言葉」と「話し言葉」の例文3つめは、反論をするときの違いについてです。
- 話し言葉→「だけれど、私は○○をしたいです」
- 書き言葉→「しかし、私は○○すべきだ」
何か「反論」をしたいとき、口にするなら「でも」だとか「だけど」という風に口に出しますよね。「話し言葉」も同じで、否定をするときは「だけれど、私は○○をしたいです」といったように表します。
ですが書き言葉は、「しかし、私は○○すべきだ」といったように表すんです。
こうみると、「話し言葉」の方が普段から馴染みのある響きで聞こえます。「書き言葉」のように「~だ」とか「~である」も「話し言葉」との大きな違いを表していますね。
④否定
「書き言葉」と「話し言葉」の例文4つめは、否定をするときの違いについてです。
- 話し言葉→「私はお化けは非現実的じゃないと思う」
- 書き言葉→「お化けは非現実的なものではない」
「話し言葉」で否定をするときは、「○○じゃない」といった答える事が普通ですよね。しかし書き言葉の場合は、「○○ではない」と答えるのが普通です。なので、「お化けは非現実的ではないと思う」という例文があった際にはこう答えます。
「話し言葉」なら、「私はお化けは非現実的じゃないと思う」と表します。そして「書き言葉」なら、「お化けは非現実的なものではない」と表します。
この否定についてははっきりしているので、まず間違える事はないでしょう。
⑤置き換え
「書き言葉」と「話し言葉」の例文5つめは、言葉の置き換えです。
よく「とても」だとか「すごく」といった言葉を使うときがありますよね。ですが「書き言葉」の場合、この「とても」や「すごく」は別の言葉に変換されるのです。
- 話し言葉→「彼は非常に勤勉です」
- 書き言葉→「彼はとても勤勉です」
例えば、「彼はとても勤勉です」と表したいとき、「書き言葉」はこれと同じです。しかし「話し言葉」の場合、「彼は非常に勤勉です」と表します。
こういった言葉の置き換えも、「話し言葉」と「書き言葉」の大きな違いです。
「書き言葉」と「話し言葉」!注意するポイント
「話し言葉」と「書き言葉」の違いを例文にすると、非常に分かりやすくなりますよね。
ですが、長年文章を書き続けているのに間違えてしまう事が多い理由は別にあります。それが、「ら」抜き言葉と「い」抜き言葉です。
この2つをよく理解していないと、「話し言葉」と「書き言葉」の違いで迷う事があるんです。
なので最後に、もう1つ注意しておきたいポイントについても紹介します。
「ら」抜き言葉
「話し言葉」と「書き言葉」を理解する上で大事なのは、「ら」抜き言葉です。
「ら」抜き言葉とは、話すときには構いませんが、文章に表すときはNGになってしまいます。
分かりやすく説明するために、「社長が明日の午後に打ち合わせにくる」という文章で違いをみていきましょう。
- 正解→「社長が明日の午後に打ち合わせに来られるそうだ」
- ダメ→「社長が明日の午後の打ち合わせに来れる」
一般的に上記の文章だと、「社長が明日の午後に打ち合わせに来られるそうだ」が正解です。ですがまれに、「社長が明日の午後の打ち合わせに来れる」そうだと間違った表記をする人もいます。
これが「ら」抜き言葉というものです。
この文章から「ら」を抜いてしまうと文章的におかしくなるので、気をつけなければならないという事です。
「い」抜き言葉
「ら」抜き言葉の他にも気をつけたいのが、「い」抜き言葉です。
- 正解→「今は仕事をしているから後にしてほしい」
- ダメ→「今は仕事をしてるから後にしてほしい」
たとえば、「今は仕事をしているから後にしてほしい」というニュアンスを伝えたいとき、「い」の部分に注目しましょう。この「しているから」の「い」の部分を抜くと、文章的には間違っていると捉えられてしまいます。
なので、「今は仕事をしてるから後にしてほしい」というのは間違っています。こういった「い」の部分を抜くと変になってしまう事も多いので、非常に注意が必要です。
まとめ
今回は、「書き言葉」と「話し言葉」の違いについて紹介しましたが、参考になったでしょうか?
「話し言葉」と「書き言葉」は聞いた事があっても、実際文章を書いてみないと違いはよく分かりません。やはり「話し言葉」と「書き言葉」をマスターするなら、ある程度の知識を仕入れた後に文章を書いてみるのが1番です。
もし、「話し言葉」と「書き言葉」の違いに迷ったときは、ぜひとも今回紹介した内容を参考にしてみてくださいね。